東日本大震災の想像を絶する惨禍を目の当たりにして言葉を失った。死者・行方不明者は三万人にも及ばんとし、なお避難を余儀なくされた十五万人(二〇一一年四月十一日現在)の人々がいる。亡くなられた方、被災された方には心からお悔やみ申し上げる。
昨年から今年にかけて世界中のジャーナリズムは、勃興するチャイナと没落する日本というメッセージを喧伝した。そんな風潮を象徴するかのような、東日本大震災。
三・一一は、日本の衰退を加速させる凶事かのように思われたが、皮肉なことに、世界中のメディアが日本の復興を唱え始めた。
タイム誌は、日本は必ず復興すると予言し、仏ル・モンド、英タイムズ、米NYタイムズ各紙も、日本の復活という論調を展開した。もちろん福島原発の事故は極めて深刻で、放射能汚染の拡散や民主党政権の統治能カヘの不安や批判も広がっている。しかし、それでも、世界は日本ヘエールを送り、日本の復活を願っている。
かって浮世絵が印象派の画家たちに大きな影響を与えたとき、フランス語でジャポニズム、という言葉が生まれた。明治時代に高山樗牛の提唱した日本主義もジャバニズムである。
そして今、絶望の淵から立ち上がろうとする多くの日本人と共に、生まれ変わるジャパニズムによる、新しい、日本の再生を宣言したい。ジャパニズム宣言、西村幸祐。